「もう限界…仕事を続けるのがしんどい」「毎朝、会社に行くのが怖い」「退職したいけど、鬱の診断書ってどう使うの?」
こんなふうに悩んでいる人は、あなただけではありません。現代社会では、職場の人間関係や業務のプレッシャーにより、鬱(うつ)を発症する人が急増しています。
しかし、心身が限界を迎えていても、「自分が甘えているだけでは?」「会社に迷惑がかかるかも」と考えてしまい、なかなか退職に踏み出せない人も多いのです。
このような背景には、メンタル不調に対する社会的な理解不足や、会社側の対応が遅れていることが原因として挙げられます。特に「鬱=根性で乗り越えるもの」といった昭和的な価値観が残る職場では、心の病気を理由に辞めることに罪悪感を抱きがちです。
この記事では、鬱の診断書を使ってスムーズに退職するための手順やポイント、知っておくべき注意点をわかりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたの不安が少しでも軽くなり、前向きな一歩を踏み出す自信が持てるはずです。
鬱と診断されたときの正しい退職の進め方とは
まず知っておくべきは、「鬱と診断されたから即日退職できる」というわけではないことです。退職には手続きや注意点があり、適切なステップを踏むことで、トラブルなく辞めることができます。
■ 診断書はなぜ必要?
鬱の診断書は、医師が「この人は精神的な理由により労働が困難な状態である」と証明する公式な書類です。これにより、職場や上司に対して説明責任を果たすことができ、円満な退職につながりやすくなります。また、傷病手当金や失業保険の手続きを行う際にも重要な書類となります。
■ 診断書をもらうまでの流れ
まずは心療内科や精神科を受診しましょう。初診では症状や生活状況について詳しく話し、必要であれば数回の通院を経て診断書が発行されます。医師に「退職を検討している」と相談すれば、適切な文言で診断書を書いてもらえます。
■ 職場への伝え方
診断書を入手したら、直属の上司または人事部に報告します。「医師から労働継続は困難との診断を受けました」と冷静に伝えましょう。可能であれば、第三者(労働組合や産業医)にも相談しながら進めると安心です。
■ 即日退職はできる?
基本的に労働者は「2週間前に退職の意思を伝えればよい」と法律で定められています。ただし、鬱によって出社が困難な場合、診断書を添えて休職扱いにし、その間に退職手続きを進めることも可能です。無理に出社する必要はありません。
■ 「退職代行」も選択肢
どうしても自分で退職を切り出せない場合、「退職代行サービス」を利用する方法もあります。特にメンタル不調の方にとっては、ストレスなく退職できるため人気が高まっています。信頼できる業者を選ぶことが大切です。
■ 鬱による退職後の生活
鬱で退職した後は、心と体を休める時間が必要です。傷病手当金(最大1年6か月支給)や失業保険(就労可能と医師が判断すれば受給可)を活用することで、金銭的にも安定した生活がしやすくなります。
鬱で退職するときにやるべき8つの行動
- 1. 早めに心療内科を受診する
自分の状態を正確に知ることで、無理を続けずに済みます。診断が早ければ、支援制度も早く利用できます。 - 2. 医師に退職の意思を伝える
「仕事を辞めたい」と相談することで、医師が状況に応じた診断書を発行してくれます。 - 3. 診断書を取得する
フォーマットは病院により異なりますが、「労務不能」や「休養が必要」といった記載が一般的です。 - 4. 家族や信頼できる人に相談する
心身が弱っている時期こそ、誰かに話すことで不安が軽減されます。 - 5. 上司または人事に連絡する
可能であれば文書やメールでの報告が望ましく、証拠としても残せます。 - 6. 退職の意思を明確に伝える
「辞めようか迷っている」より「退職したい」と断言する方が、話がスムーズに進みます。 - 7. 労働組合や社外相談窓口に相談する
自分ひとりで抱え込まず、外部の専門家に頼ることで冷静な判断ができます。 - 8. 無理に会社へ行かない
体調が悪化するリスクがあるため、診断書を提出したら出社しなくても大丈夫です。 - NG行動:勝手に欠勤し続ける
連絡なしの欠勤が続くと「無断欠勤」として不利な記録が残る場合があります。
鬱による退職でよくあるQ&A
Q. 鬱の診断書を出したら強制的に休職になる?
A. 原則として「就労困難」の診断があれば、会社は休職を提案しますが、本人の意思で退職も可能です。休職で様子を見てから判断しても問題ありません。
Q. 診断書は会社に直接渡す必要がある?
A. 基本的には上司や人事に直接提出しますが、郵送でも構いません。内容は機密事項として扱われるべきです。
Q. 鬱で辞めたら再就職は難しい?
A. 一時的にブランクが空いても、再就職は十分可能です。最近では鬱を経験したことをポジティブに受け止める企業も増えています。
Q. 本当に辞めていいのか自信がない
A. もし「迷い」があるなら、医師や専門家に相談してください。自分だけで結論を出す必要はありません。
Q. 鬱は自己責任?甘え?
A. いいえ。鬱は脳内物質のバランスが崩れることで起こるれっきとした病気です。「気合い」では治りません。正しい治療と休養が必要です。
まとめ:退職は“逃げ”ではない。自分を守る選択です
この記事では、鬱で退職を考えている人に向けて、「診断書の取得方法」「会社への伝え方」「退職後の生活」までを詳しく解説しました。
あなたの体と心を守るための選択として、退職は決して恥ずべきことではありません。診断書という“正当な証拠”を活用すれば、トラブルを避けながらスムーズに退職できます。
迷いや不安があるときは、ひとりで抱えずに、医師・家族・相談機関などに声をかけましょう。あなたの人生は、あなた自身のものです。
今は「休むこと」が最優先。休養の先に、きっと新しい自分との出会いがあります。