「緑の手帳って何？」「どんな人が取得できるの？」「取得するとどんなメリットがあるの？」――このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「緑の手帳」とは、正式には「療育手帳」と呼ばれる、知的障害のある方に交付される障害者手帳の一種です。地域によって呼び名が異なり、例えば東京都では「愛の手帳」、埼玉県では「みどりの手帳」と呼ばれています。
本記事では、「緑の手帳（療育手帳）」の概要や取得方法、取得することで受けられる支援やサービス、そして就労移行支援との関係について詳しく解説します。知的障害のある方やそのご家族が、適切な支援を受け、自立した生活を送るための参考にしてください。
「緑の手帳（療育手帳）」とは
「緑の手帳（療育手帳）」は、知的障害のある方が、さまざまな福祉サービスや支援を受けるために必要な手帳です。知的障害の程度に応じて等級が分けられ、各種の支援やサービスの対象となります。
療育手帳の等級は、自治体によって異なりますが、一般的には以下のように分類されます：
- A判定：重度の知的障害
- B判定：中度から軽度の知的障害
等級によって受けられるサービスや支援内容が異なるため、正確な判定を受けることが重要です。
療育手帳の取得方法
療育手帳を取得するための一般的な手続きは以下の通りです：
- 申請：お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で申請を行います。
- 判定：児童相談所（18歳未満）または知的障害者更生相談所（18歳以上）で、知的障害の程度についての判定を受けます。
- 交付：判定結果に基づき、療育手帳が交付されます。
申請時には、医師の診断書や本人の写真、印鑑などが必要となる場合があります。詳細はお住まいの自治体の窓口で確認してください。
療育手帳を取得するメリット
療育手帳を取得することで、以下のようなメリットがあります：
- 医療費の助成：医療費の自己負担が軽減される場合があります。
- 税金の控除：所得税や住民税の障害者控除を受けることができます。
- 交通機関の割引：JRやバス、航空機などの運賃が割引されることがあります。
- 公共施設の利用料割引：博物館や美術館などの公共施設の利用料が割引される場合があります。
- 障害者雇用枠での就職活動：障害者雇用枠での就職活動が可能になります。
これらの支援やサービスを受けることで、日常生活の負担が軽減され、自立した生活を送るためのサポートとなります。
就労移行支援との関係
就労移行支援は、一般企業への就職を希望する障害のある方を対象に、職業訓練や就職活動の支援を行う福祉サービスです。療育手帳を所持していることで、就労移行支援の利用がスムーズになる場合があります。
就労移行支援では、以下のようなサポートが受けられます：
- 職業訓練やスキルアップの支援
- 履歴書の作成や面接対策のサポート
- 就職先の紹介やマッチング
- 就職後の職場定着支援
療育手帳を活用しながら、就労移行支援を利用することで、一般就労への道が開ける可能性があります。
まとめ
「緑の手帳（療育手帳）」は、知的障害のある方がさまざまな福祉サービスや支援を受けるために必要な手帳です。取得することで、医療費の助成や税金の控除、交通機関の割引など、日常生活の負担を軽減する多くのメリットがあります。
また、就労移行支援との連携により、一般就労への道も開ける可能性があります。自立した生活を目指すために、療育手帳の取得を検討してみてはいかがでしょうか。