「障害支援区分って何?」「区分3ってどんな状態なの?」「自分や家族はどの区分に当てはまるんだろう?」──障害福祉サービスを検討するとき、まず戸惑うのが「区分」の考え方です。
障害支援区分は、障害者総合支援法に基づき、市区町村が個人の生活状況や支援の必要度を評価し、0〜6の数値で示すものです。その中でも「区分3」は、特に支援が必要な人に該当しやすく、生活介護や短期入所、就労支援など多くの福祉サービス利用の鍵となります。
この記事では、障害支援区分3が意味することや、どのような支援が受けられるのか、具体的なケースを交えながら解説します。
障害支援区分3とは何か?
障害支援区分とは、障害福祉サービスを受ける際に必要な「支援の度合い」を客観的に示した指標です。区分は0~6に分かれ、数字が大きいほど支援が必要と判断されます。
■ 区分3の概要
・中程度の介助が日常生活で必要
・一部の行動は自立していても、安定的に生活するには支援が欠かせない
・精神障害や知的障害、身体障害のある方が対象になるケースも多い
■ 認定までの流れ
1. 市区町村に申請
2. 認定調査(訪問による聞き取り)
3. 医師の意見書の提出
4. コンピュータ判定+審査会による最終判定
区分3で受けられる主な福祉サービス
- 生活介護
対象:日中の活動に常時支援が必要な方
内容:食事・排せつの介助、創作活動、軽作業など
効果:生活リズムを安定させ、孤立を防ぐ - 就労継続支援B型
対象:一般就労が困難だが、軽作業などが可能な方
内容:パン作り、内職、清掃など多様な作業
効果:工賃収入を得ながら、社会参加のきっかけに - 短期入所(ショートステイ)
対象:介護者の休息や急な用事がある家庭
内容:1泊〜数日間の宿泊支援
効果:家族の介護負担軽減、本人のリフレッシュにも - 移動支援
対象:外出に不安がある方
内容:買い物や通院の付き添い
効果:自立した地域生活が実現しやすくなる - 計画相談支援
対象:全ての障害福祉サービス利用者
内容:サービス等利用計画の作成・モニタリング
効果:一貫した支援方針のもとに適切なサービスが受けられる - 地域活動支援センター
対象:地域で活動したい障害者
内容:交流スペース、相談、軽作業など
効果:孤立を防ぎ、心の安定や自信回復につながる - 訪問系サービス(ホームヘルプ等)
対象:日常生活に一部支援が必要な人
内容:掃除、調理、金銭管理の支援など
効果:自宅での生活継続が可能に - やってはいけない:区分に頼りすぎて本質を見失う
理由:支援の内容は数値ではなく「生活の質」で判断するべき
対処:本人の希望や暮らしやすさを最優先に、柔軟な支援を検討
Q&A:障害支援区分3についての疑問
- Q. 区分3から区分4に上がることはありますか?
- A. はい。体調悪化や支援の必要度が増せば再認定で区分が変わることがあります。
- Q. 区分3だと就労は難しいですか?
- A. 難しい場合もありますが、就労継続支援B型やA型、就労移行支援を利用しながら段階的な就職も可能です。
- Q. 区分によってサービス内容は大きく違いますか?
- A. はい。区分が高いほど、より手厚いサービスや時間数の支給が受けられます。
- Q. 区分の更新はどうやって行われる?
- A. 原則1年ごとに更新調査があります。状態に変化があればその都度申請が可能です。
まとめ
障害支援区分3は、「ある程度の支援が日常生活に必要」と判断された状態であり、多くの障害福祉サービスを利用する鍵となる重要な区分です。
しかし、数値だけにとらわれず、「その人らしく暮らせる支援とは何か」を常に問い直すことが大切です。家族や支援者と連携しながら、柔軟な視点で支援を考えていきましょう。