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ADHDはなぜ時間にルーズになりがち?「時間感覚の困難」とその対処法を徹底解説

「いつも約束の時間に遅れてしまう」「何度タイマーをかけても、気づいたら時間が過ぎている」「1時間で終わるはずの作業に、なぜか3時間かかってしまう」──そんな経験を繰り返していませんか?

ADHD(注意欠如・多動症)の特性として、「時間感覚の歪み」や「スケジュール通りに行動できない」ことがあります。これは単なる不注意や怠け癖ではなく、脳の仕組みによる“時間盲(Time Blindness)”という特性に起因するものです。

本記事では、「ADHDの人が時間管理を苦手とする理由」「よくある時間に関する失敗例」「日常で役立つ具体的な対処法」までを詳しく解説します。時間で悩んでいるあなたへ、今日から実践できるヒントをお届けします。

ADHDの「時間感覚の困難」とは?

ADHDの方には「時間を感じ取る力」に独特の困難があります。これには以下のような要素があります:

■ 時間盲(Time Blindness)とは?
・時間の「長さ」を感覚的に把握しにくい
・過去・現在・未来を「時間軸」として捉えるのが難しい
・「今していること」への没頭で他の時間感覚を失いやすい

■ よくある時間トラブルの例
・出発直前まで別のことをしてしまい遅刻
・やるべき作業にとりかかるのが遅れる(先延ばし)
・休憩やSNSのつもりが何時間も経っている
・朝の支度に毎日同じだけの時間がかかるはずなのに、日によってムラがある

これらは“やる気”や“性格”ではなく、ADHDの脳の特性による自然な反応です。

ADHDの時間管理に効く8つの対処法

  1. 「見える時間」にするタイマー活用
    理由:抽象的な「30分」では実感がわかないため。
    方法:カウントダウン型のタイマーや視覚的な時計を使う。
    効果:残り時間が“見える”ことで、時間の感覚が掴みやすくなります。
  2. 「バッファ時間」を前提にスケジューリング
    理由:予定通りに進まないことが前提だから。
    方法:各予定に「+15分」の余裕時間を自動で組み込む。
    効果:遅れによる自己否定を防ぎ、トラブル対応力も上がります。
  3. 行動の「手順書」を作る
    理由:ADHDは“次に何をするか”を忘れがちだから。
    方法:朝の支度、出かける準備、仕事前のルーチンなどをToDo形式で一覧化。
    効果:やるべき行動が明確になり、スムーズに動き出せます。
  4. 予定の「開始時刻」に集中する
    理由:「終わり時間」ではなく「始め時間」が行動のカギ。
    方法:“何時に終えるか”より“何時に始めるか”を重点に管理。
    効果:実行までの第一歩が踏み出しやすくなります。
  5. スマホのリマインダーをフル活用
    理由:記憶に頼ると忘れる確率が高いため。
    方法:開始10分前、5分前、直前と複数回通知を設定。
    効果:予定漏れや遅刻を大幅に減らせます。
  6. 1日の終わりに「時間ログ」を記録する
    理由:自分の行動パターンを把握するため。
    方法:簡単なメモやアプリで、「何に何分使ったか」を可視化。
    効果:時間の使い方に自覚が生まれ、調整力が向上します。
  7. 時間に関する成功体験を“視覚化”する
    理由:「うまくいった」記録が自己効力感につながるから。
    方法:予定通り行動できた日は、カレンダーにマークを付けるなど。
    効果:自信と継続のモチベーションになります。
  8. やってはいけない:「今すぐやる」への全依存
    理由:衝動性で動くことはできても、継続的な管理には不向き。
    方法:感覚任せで動くのではなく、「外部のしくみ」を活用。
    効果:安定した生活リズムと行動習慣が身につきます。

Q&A:時間の悩みあるある

Q. そもそも「時間を守ること」が苦手なのは甘え?
A. いいえ。ADHDの人にとって時間感覚のずれは“脳の構造”の問題です。トレーニングと工夫で改善が可能です。
Q. どのタイマーがADHDにおすすめ?
A. 色や残り時間が“見える”タイプ(ビジュアルタイマー)やスマホアプリ(Tide、Forestなど)がおすすめです。
Q. 時間管理ができないと仕事に支障が出るのでは?
A. はい。ただし、職場に配慮を求めたり、就労支援を活用すれば無理なく働ける環境が整います。
Q. ADHDだと将来が不安です…
A. 不安は当然ですが、正しい知識と工夫で時間管理は改善できます。多くの方が支援と工夫で成功しています。

まとめ

ADHDの方が時間管理を苦手とするのは、脳の特性に基づく“時間盲”の影響によるものであり、努力不足ではありません。

しかし、タイマー・リマインダー・ルーチンなど、外部の「時間の見える化」を工夫することで、時間管理は大きく改善可能です。

完璧でなくても大丈夫。「できた日」を積み重ねることで、時間との付き合い方も、少しずつ自分らしい形になっていきます。