「緊張するとどもってしまう」「会話中に言葉が詰まる」「子どもの頃からずっと話しにくい」
大人になってからも「どもる(吃音)」ことに悩む人は少なくありません。一方で、「これは病気なの?」「治るの?」と不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
この記事では、大人の「どもり」の原因、吃音との違い、診断の流れ、治療法や支援制度について詳しく解説します。
「どもる」とは?吃音との関係
「どもる」とは、言葉を話す際にスムーズに発音できず、音を繰り返したり、間が空いたりする話し方のことです。医学的には「吃音(きつおん)」と呼ばれます。
- 発達性吃音:幼少期に発症し、大人になっても残るケース
- 獲得性吃音:大人になってから脳損傷や極度のストレスにより発症
大人が「どもる」原因と病気の可能性
大人で突然「どもる」ようになった場合、以下のような病気や状態が関連していることがあります:
- 吃音(成人型):会話中に音の繰り返し・引き延ばし・詰まりがある
- 失語症:脳卒中や脳損傷により、言葉が出にくくなる状態
- 構音障害:口の筋肉や発音に関する神経の異常
- 発達障害(ASDやADHD):言語表出の不器用さが背景にある場合も
- 極度の緊張や社交不安障害:状況により言葉が出なくなる
受診と診断の流れ
- 心療内科・精神科または言語外来のある病院を受診
- 問診・言語検査・心理検査などを実施
- 必要に応じて脳のMRIやCT検査
治療・支援方法
- 言語訓練:言語聴覚士(ST)による吃音緩和・流暢性訓練
- 心理療法:不安軽減のための認知行動療法など
- 薬物療法:強い不安や社交恐怖がある場合に補助的に使用
- 就労支援:吃音や発達障害に対応した就労移行支援も有効
支援制度・活用できる制度
- 発達障害者支援センターでの相談
- 精神障害者保健福祉手帳の取得
- 就労移行支援、グループワークなどの利用
まとめ:「どもる」は“努力不足”ではありません
大人でも「どもる」ことは決して珍しくなく、その背景には脳や心、発達特性などさまざまな要因が関係しています。重要なのは、正しく理解し、無理をせず専門家と一緒に対処していくこと。
悩みを一人で抱え込まず、まずは信頼できる医療機関や支援機関に相談してみましょう。