「話そうとすると言葉が出てこない」「会話の途中で詰まってしまう」「最近、言葉がうまく出なくて不安…」
こうした「言葉が詰まる」症状は、大人にも見られる現象で、日常会話や仕事、電話応対などに支障をきたすこともあります。
単なる一時的な緊張や疲労の場合もありますが、中には神経疾患や発達障害、言語障害などの背景があることもあるため注意が必要です。
本記事では、「言葉が詰まる」症状に関係する代表的な病気や原因、受診の目安、対応方法をわかりやすく解説します。
言葉が詰まる主な原因と病気
1. 吃音(きつおん)
発達性吃音は子どもに多いですが、大人になってからも残ることがあります。また、ストレスや環境の変化によって再発・悪化するケースもあります。
- 特徴:言葉の出だしで詰まる、音を繰り返す、引き延ばすなど
- 原因:先天的特性+環境要因
- 対処:言語聴覚士によるリハビリ、認知行動療法など
2. 失語症
脳の言語中枢に障害がある状態。脳卒中(脳梗塞・脳出血)や頭部外傷、脳腫瘍などで発症します。
- 特徴:言葉が出ない、言葉の意味が分からない、読み書きも困難に
- 原因:脳損傷
- 対処:神経内科・リハビリ科でのリハビリが必要
3. 脳神経疾患(例:パーキンソン病、ALSなど)
神経の働きが徐々に低下し、話し方が不明瞭になったり、言葉が出にくくなったりします。
- 特徴:構音障害、話す速度の低下など
- 対処:神経内科の診察が必要
4. 発達障害(ASD・ADHDなど)
大人の発達障害の一部では、言語のタイミングや言葉の切り出しが難しいケースがあります。
- 特徴:会話の順序が混乱、言葉の選び方が不自然、沈黙が長い
- 対処:精神科・心療内科の受診、支援制度の利用
5. 精神的なストレス・うつ状態
強いストレスや抑うつ状態にあると、認知機能や言語機能が低下することがあります。
- 特徴:会話中に言葉が出ない、思考がまとまらない
- 対処:心療内科の受診、カウンセリング、休養
受診の目安と対応
以下のような場合は、早めに医療機関の受診を検討しましょう:
- 突然言葉が出なくなった
- ろれつが回らない、顔がゆがむなどの神経症状がある
- 仕事や日常生活に支障が出ている
- 家族や周囲から「話し方が変」と言われる
受診先は、症状に応じて以下が目安です:
- 心の不調や吃音→心療内科・精神科
- 脳神経の異常→神経内科・脳神経外科
- 言語訓練→リハビリ科、言語聴覚士のいる医療機関
まとめ:言葉の詰まりは「体と心のサイン」かもしれません
大人の「言葉が詰まる」症状には、様々な背景があります。一時的なものもありますが、慢性的に続く場合や日常生活に影響が出ている場合は、早めに専門家に相談することが大切です。
自己判断せず、まずは体と心の状態を知るところから始めましょう。