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パーソナリティ障害の人と上手に接する方法|心を理解し、信頼を築く7ステップ

「彼/彼女が急に落ち込んだり怒ったりするけど、何が原因かわからない…」「どう対応すればいいのか不安」「周囲にパーソナリティ障害の人がいて、距離感が難しい」と悩むことはありませんか?

①感情の波が激しく、突然の反応に戸惑う。②「頑張って理解したい」と思っても、専門知識がなく何をすればいいのかわからない。③関係を壊したくないけど、接し方がわからず遠慮してしまう—こうした悩みがよくあります。

なぜなら、パーソナリティ障害の背景には幼少期の体験、自己イメージのゆらぎ、対人関係のこだわりといった根本的な要因があり、単純なコミュニケーションでは理解しにくいからです。また、周囲がどう受け止めれば安心感を与えられるか正解のない対応に戸惑いが生まれます。

この記事では、パーソナリティ障害を持つ人と日常で自然に、そして信頼感のある関係を築くための具体的な接し方やヒントを解説します。専門用語をかみくだき、すぐ使える7つのステップと、よくある疑問に答えるQ&A付きでご紹介。読み終わる頃には「どう接すればいいのか」「何を意識すればいいのか」が明確になり、安心して関われるヒントが得られます。

パーソナリティ障害とは?背景と理解のために押さえる3つのポイント

まず、パーソナリティ障害(人格障害)は「性格そのものの偏りが強く、長期的に対人関係や生活に支障をきたす」状態を指します。背景としては、幼少期の愛着形成の不安定さ、極端な自己評価、感情制御の困難さが関与します。

  • ① 歴史・背景: 1968年に米国精神医学会が分類した「永続的に続く性格特性のパターン」が起源で、日本でも1990年代から注目されるようになりました。現代では「治す」ではなく「付き合いながら回復を支える」支援が主流です。
  • ② 社会的傾向・統計: 日本ではパーソナリティ障害の有病率は約3〜5%とされます。特に境界性人格障害(BPD)は気分の変動が激しく、自傷行為に関わる例もあり、若い世代で相談増加の傾向です。
  • ③ よくある誤解:「甘え」「わがまま」と捉えられがちですが、本来本人も苦しんでおり「周囲が遠ざかる→不安が増す」という悪循環が生まれやすい点が理解不足です。

例えばAさん(30代・女性)は、自分の価値が急に下がるように感じると「もうダメだ…」と深く落ち込み、翌日には急に明るく振る舞うというジェットコースターのような感情を体験しています。このような極端な感情の起伏は、周囲が「何が本当なのか?」と混乱しやすく、誤解しやすいポイントです。

実は、頻繁な感情の転換は「感情を表現し過ぎているわけではなく、制御しづらい状態」なのです。自身でも「感情を安定させたい」と願っており、周囲が「これは感情の波かもしれない」と理解できるかどうかが安心感の土台になります。

実践できる7ステップの接し方

  1. ステップ①安心できる環境づくり
    理由:安心できる場は信頼関係の前提。
    方法:静かな場所で話す、急に予定を変更しない、聞き役に回る。
    効果:Bさんは、静かなカフェで「今日はどう?話したくなったらいつでも」と言われ、次第に心を開けるように。
  2. ステップ②感情を否定せず受け止める
    理由:「そんなの大したことない」と言われると逆効果になる。
    方法:「そう感じたんだね」「それはきつかったね」と共感。
    効果:Cさんは「そんなことで?」と言われずに済み、「話す気が楽になる」と信頼が深まりました。
  3. ステップ③ペーシング(相手に合わせる話し方)
    理由:会話のリズムが合うと安心感が生まれる。
    方法:相手の話すテンポや言葉遣いに合わせ、繰り返し確認。
    効果:Dさんとペースを合わせることで、彼から「今日は話しやすい」と言われるように。
  4. ステップ④境界線(バウンダリー)の共有
    理由:依存・誤解を防ぐため。
    方法:「〇〇までは話せるけど、△△は苦手」と事前に伝える。
    効果:Eさんと話す時に「今少し距離感をとりたい」と共有でき、互いにとって居心地のよい関係を維持できます。
  5. ステップ⑤具体的な依頼や反応をする
    理由:抽象的な気遣いより、行動が見える方が安心。
    方法:「手伝える?」ではなく「来週火曜の午後空いてたら散歩しようか?」と提案。
    効果:Fさんは「そう言ってくれると具体的で助かります」と反応が柔らかくなりました。
  6. ステップ⑥自己ケアの示し方
    理由:自分も大切にしている姿を見せることで相手も安心。
    方法:「こないだ休んでリフレッシュしたよ」と自分の時間の話をする。
    効果:Gさんも「ぼくも大切にしよう」と心が救われ、共に健康な関係を築けました。
  7. ステップ⑦無理せず専門相談を促す
    理由:変化には時間と専門サポートが必要。
    方法:「良かったら相談窓口って知ってる?話すと少し楽になるかも」など穏やかに。
    効果:Hさんは専門外来へつながり、数カ月後に感情の安定感が増しました。

Q&A—接し方でよくある疑問に答えます

Q. 怒りっぽくて怖い時はどうすればいい?
A. 安易に謝らず、まず「怖いなら落ち着いて大丈夫」と安心感を伝えてください。もし暴言が続くなら「少し距離置いてもいい?」と boundary を守るのも重要です。
Q. 話を聞くのがつらくなったら?
A. 自分の心を大切にする自己ケアを優先してください。無理なく関われているか定期的に振り返り、必要なら相談から距離をとることもOKです。
Q. こちらが疲れてしまった…依存になってる?
A. 自己チェックとして「毎日一緒にいようと感じるか?」を確認して。もし答えが“はい”なら、ペーシングやboundary の見直しを。無理なく続く関係づくりを意識してください。
Q. 周囲に誤解されやすいことってある?
A. 「ただ甘えている」と思われる誤解がありますが、本人も苦しんでいます。誤解より「つらい気持ち・助けがほしい」という前提で接することが基本です。

①パーソナリティ障害は「治す」より「理解し、支えながら信頼関係を築く」病。「感情の波」「自己イメージの不安定さ」「繰り返す行動パターン」が背景にあります。

②本記事では、安心感づくり・共感・ペーシング・境界線の共有・具体提案・自己ケアの共有・専門相談促進という7ステップを提示しました。これを意識すれば、日常的に自然に信頼の土台が育ちます。

③Q&Aでは「怒りへの対応」「聞く側の負担」「依存懸念」「誤解への対処」など、よくある不安に答えました。ポイントは「自分も大切にしつつ」「相手のつらさを前提に関わる」こと。

今からできる一歩は、①明日一回「今日はこう感じた?」と質問して、②安心できる場所で聞くだけでも効果があります。少しずつの積み重ねが、相手との信頼につながります。

あなたのやさしい一言と行動が、心を支え、未来を変える力になります。無理せず一歩ずつ、その関係を育てていってください。