キャリア形成促進助成金(制度導入コース)

ガッツポーズをする社会人たち

労働者不足や、多様な働き方の従業員が混在する企業では、人材育成という視点が重要になります。人材育成といってもどのようにすればよいのか、何をすればよいのか悩む事業主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では人材育成に関する助成金を紹介します。

キャリア形成促進助成金とは

正社員の従業員を対象に、職務に関連した専門的な訓練を実施したり、今後のキャリアを促進していく人材育成制度を導入した場合、訓練にかかる経費や訓練期間中の賃金の一部等が助成されます。

キャリア形成促進助成金(制度導入コース)

計画に基づき、従業員のキャリア形成を促進する目の制度を導入し、適用させた場合に、助成金が各コース50万円支給されます。
制度導入コースでは6つの制度があります。
①教育訓練・職業能力評価制度
②セルフ・キャリアドック制度
③技能検定報奨金制度
④教育訓練休暇制度
⑤社内検定制度
⑥事業主団体助成制度
この記事では比較的進めやすい、①職業能力評価制度と②セルフ・キャリアドック制度を紹介します。

①職業能力評価制度とは

一定の評価期間をもとに対象となる従業員に対し、従業員本人と事業主がジョブ・カード 様式3-3-1-2(以下評価シート)を使って評価を実施する制度です。職種ごとに作成した評価シート)を使って自己評価、他者評価を実施することで、現在の自分の能力や、今後の課題などが明確になります。
また、評価シートに記載されている評価項目は、国が定めた汎用性のある評価項目を使う必要があるため、従業員が他社へ就職する際に、自分の能力証明として使うこともできます。

セルフ・キャリアドック制度

計画的に国家資格のキャリア・コンサルタントと面談をし、ジョブ・カード 様式1-1、1-2、2、3-1、3-2(履歴書のようなもの)を作成する制度です。キャリア・コンサルタントと面談をすることで、自分のこれまでのキャリアを見つめ直し、今後のキャリアについて考えていく機会となります。
また、ここで作成するジョブ・カードも他社での履歴書としても使うことができます。
上記のような制度を会社で導入し、実際に従業員に適用することで、各制度ごとに50万円が事業主に支給されます。(上記2つの制度を導入・適用すると50万円+50万円=100万円)
【注意点】

  • 計画書の作成・届出をし、労働局に認定をもらっていること
  • 最低適用人数以上の従業員に導入した制度を適用すること
雇用保険加入者数 最低適用人数
1〜19人 1人
20〜29人 2人
30〜39人 3人
40〜49人 4人
50人以上 5人
  • 正社員が支給申請の対象となります
  • 対象従業員が雇用保険・社会保険に加入していること
  • 従業員の出勤日に制度を実施すること
  • 制度実施にかかる費用は事業主が全額負担すること
  • 勤務時間内に制度を実施すること(実施時間中も賃金が発生します)
  • その他、厚生労働省が求める要件を満たしていること

この助成金は、評価制度等、企業にとって必要な制度を導入することだけで受けられるというメリットがありますが、計画書の作成から実際に受給まで時間と手間がかかるというデメリットもあります。
様々な視点からとらえ、助成金を活用してみてください。