キャリアアップ助成金(人材育成コース)

パートタイマーやアルバイト、有期契約労働者等、様々な働き方がある中で、非正規の労働者が増えてきています。実際にパートさんやアルバイトの従業員の存在の重要性を感じている事業主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、非正規労働者に対して研修を受けさせ、従業員のキャリアアップを図ると支給される助成金についてご紹介します。

キャリアアップ助成金とは

非正規雇用の従業員(有期契約労働者、パートタイマー等)に対して、正社員化、人材育成、処遇改善などの取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。

キャリアアップ助成金(人材育成コース)

有期契約労働者に対して以下の訓練を実施した場合、経費の一部や、賃金の一部が助成されます。正社員への転換や処遇の改善を目的として実施すると、助成金が支給されます。
訓練を受ける従業員の人材育成コースには4つの訓練が有りますが、この記事では比較的使いやすい有期実習訓練一般職業訓練についてご紹介します。
【助成額】
・Off-JT分の経費助成額

100時間未満 10万円
100時間〜199時間 20万円
200時間以上 30万円

・Off-JT分の賃金助成額
1人1時間当たり800円
・OJT分の賃金助成
1人1時間当たり800円

①有期実習訓練

非正規の従業員を対象にOff-JTとOJTを組み合わせたカリキュラムに沿って研修を行い、研修終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1(評価シート)を使って評価を実施します。正社員への転換を目的とします。
※Off-JT:「職場外研修」と訳され、職場を離れて外部の研修を受講し、必要な知識や技術の習得を図るもの。
OJT:「職場内訓練」と訳され、現場で実際に業務を進めながら上司や先輩が必要な知識や技術を部下に教え、身に着けさせるもの。
【注意点】

  • 事前に計画書を労働局に届出していること
  • 訓練が始まる前にキャリア・コンサルティングを実施すること
  • 実施期間が3ヵ月以上6ヵ月未満であること
  • 総訓練時間が425時間以下であること
  • 訓練期間中も対象従業員に賃金を支払っていること
  • Off-JTにかかる費用は事業主が全額負担していること
  • その他、各助成金ごとに定める要件を満たしていること

②一般職業訓練

非正規の従業員を対象にOff-JTによる訓練を受けさせた場合に、訓練にかかる経費の一部と訓練期間中の賃金の一部が助成されます。Off-JTによる訓練は、対象となる従業員のキャリアをアップさせることが目的なため、職務に直接的に関連する訓練内容であることが助成金支給の要件となります。
【注意点】

  • 事前に計画書を労働局に届出していること
  • 1つの研修コースにつき1年以内の実施期間であること
  • 1つの研修コースにつき 20時間以上であること
  • 訓練実施中の時間も対象従業員に賃金を支払っている
  • Off-JTの訓練にかかる費用を事業主が全額負担していること
  • その他、各助成金ごとに定める要件を満たしていること

上記のような助成金を使えば、少ない負担で従業員に研修を受けることができます。助成金を活用して、従業員のスキルアップを目指しましょう。