非正規の従業員を正社員にしてあげたいと考えている事業主さんも、人件費が増加することを考え、なかなか進めることが出来ない事業主さんも多いかと思います。
そのようなときに活用していただきたいのがキャリアアップ助成金の正社員化コースです。

キャリアアップ助成金とは

非正規雇用の従業員(有期契約労働者、パートタイマー等)に対して、正社員化、人材育成、処遇改善などの取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)について

有期雇用の従業員→正社員 1人あたり60万円
有期雇用の従業員→無期雇用の従業員 1人あたり30万円
無期雇用の従業員→正社員 1人あたり60万円

上記のように正社員化等の取り組みをしていただくと助成されます。
しかし、一見簡単に助成金がもらえるかのように思いますが、非正規の労働者を正社員に転換したと言っても助成金がすぐに支給されるわけではありません
助成金とは、国からもらうお金になるわけですから、国が定めるルールにのっとり、順序通りに進めていく必要があります

キャリアアップ助成金(正社員化コース)について

また、助成金を受給するには以下の要件を満たす必要があります。

  • 事前に計画書を労働局へ届け出て、認定をもらっている
  • 入社してから6ヵ月以上非正規労働者として働いている
  • 加入要件を満たしている従業員を社会保険、雇用保険に加入させている
  • 就業規則等の整備ができている
  • 雇用契約をきちんと結んでいる
  • 出勤簿、賃金台帳を保管している
  • 残業代が法廷通り支払われている
  • その他各助成金ごとに定められる要件を満たしている

少し難しいようにも感じますが、法律通りの雇用をしていれば問題はありません。
助成金をうまく活用することで、コストを抑えながら雇用環境の改善が図れます。
雇用環境の改善は従業員の仕事に対する意欲の向上にもつながりますので、助成金を使いながら上手に進めていくことが大切です。

従業員に専門的な知識や技術の向上を図るために、研修を受けさせたいが、研修にかかる費用が高額なため、なかなか受けさせてあげられない事業主さんも多いのではないでしょうか。
そんなときに活用していただきたいのがキャリア形成促進助成金の重点訓練コースです。
ここでは、キャリア形成促進助成金の概要と、重点訓練コースの中でも活用しやすい訓練を紹介します。

キャリア形成促進助成金とは

正社員の従業員を対象に、職務に関連した専門的な訓練を実施したり、今後のキャリアを促進していく人材育成制度を導入した場合、訓練にかかる経費や訓練期間中の賃金の一部等が助成されます。

重点訓練コースについて

Off-JTによって実施される訓練を正社員に受けさせることで、訓練実施にかかる費用の一部や、訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
○経費助成の限度額

20時間以上100時間未満 100時間以上200時間未満 200時間以上
1人当たり 15万円 1人当たり 30万円 1人当たり 50万円

※実際にかかった訓練費用の2/3が上限

○賃金助成
1人1時間当たり800円

①若年人材育成訓練

入社してから5年以内かつ、35歳未満の正社員を対象に、訓練を実施すると助成受けられるコースです。

【注意点】
  • 入社後5年以内かつ35歳未満の正社員であること
  • 雇用保険・加入保険に加入していること
  • 訓練時間は20時間以上であること
  • 訓練の経費は会社が全額負担すること
  • 訓練期間中も従業員に賃金を支払うこと
  • その他、厚生労働省が求める要件を満たしていること

②成長分野・グローバル人材育成訓練

 成長分野(医療・介護、情報通信業、建設業の一部、製造業の一部)や海外関連の業務に従事している正社員に対して訓練を実施した場合に助成が受けられるコースです。

【注意点】
  • 正社員であること
  • 雇用保険・社会保険に加入していること
  • 訓練時間は20時間以上であること
  • 訓練の経費は会社が全額負担すること
  • 訓練期間中も従業員に賃金を支払うこと
  • その他、厚生労働省が求める要件を満たしていること

助成金受給の対象となるには、訓練がスタートする前に、労働局へ計画を届け出て、認定をもらっている必要があります。どの助成金でもそうですが、事前に計画を作成し、計画通りに訓練等を進めていくことが重要となります。
この助成金を活用すれば、事業主の少ない負担で研修を実施することができます。また、研修を実施することで従業員のスキルアップにもつながりますので、ぜひ、活用することをおすすめします。

労働者不足や、多様な働き方の従業員が混在する企業では、人材育成という視点が重要になります。人材育成といってもどのようにすればよいのか、何をすればよいのか悩む事業主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では人材育成に関する助成金を紹介します。

キャリア形成促進助成金とは

正社員の従業員を対象に、職務に関連した専門的な訓練を実施したり、今後のキャリアを促進していく人材育成制度を導入した場合、訓練にかかる経費や訓練期間中の賃金の一部等が助成されます。

キャリア形成促進助成金(制度導入コース)

計画に基づき、従業員のキャリア形成を促進する目の制度を導入し、適用させた場合に、助成金が各コース50万円支給されます。
制度導入コースでは6つの制度があります。
①教育訓練・職業能力評価制度
②セルフ・キャリアドック制度
③技能検定報奨金制度
④教育訓練休暇制度
⑤社内検定制度
⑥事業主団体助成制度
この記事では比較的進めやすい、①職業能力評価制度と②セルフ・キャリアドック制度を紹介します。

①職業能力評価制度とは

一定の評価期間をもとに対象となる従業員に対し、従業員本人と事業主がジョブ・カード 様式3-3-1-2(以下評価シート)を使って評価を実施する制度です。職種ごとに作成した評価シート)を使って自己評価、他者評価を実施することで、現在の自分の能力や、今後の課題などが明確になります。
また、評価シートに記載されている評価項目は、国が定めた汎用性のある評価項目を使う必要があるため、従業員が他社へ就職する際に、自分の能力証明として使うこともできます。

セルフ・キャリアドック制度

計画的に国家資格のキャリア・コンサルタントと面談をし、ジョブ・カード 様式1-1、1-2、2、3-1、3-2(履歴書のようなもの)を作成する制度です。キャリア・コンサルタントと面談をすることで、自分のこれまでのキャリアを見つめ直し、今後のキャリアについて考えていく機会となります。
また、ここで作成するジョブ・カードも他社での履歴書としても使うことができます。
上記のような制度を会社で導入し、実際に従業員に適用することで、各制度ごとに50万円が事業主に支給されます。(上記2つの制度を導入・適用すると50万円+50万円=100万円)
【注意点】

  • 計画書の作成・届出をし、労働局に認定をもらっていること
  • 最低適用人数以上の従業員に導入した制度を適用すること
雇用保険加入者数 最低適用人数
1〜19人 1人
20〜29人 2人
30〜39人 3人
40〜49人 4人
50人以上 5人
  • 正社員が支給申請の対象となります
  • 対象従業員が雇用保険・社会保険に加入していること
  • 従業員の出勤日に制度を実施すること
  • 制度実施にかかる費用は事業主が全額負担すること
  • 勤務時間内に制度を実施すること(実施時間中も賃金が発生します)
  • その他、厚生労働省が求める要件を満たしていること

この助成金は、評価制度等、企業にとって必要な制度を導入することだけで受けられるというメリットがありますが、計画書の作成から実際に受給まで時間と手間がかかるというデメリットもあります。
様々な視点からとらえ、助成金を活用してみてください。

社労士(社会保険労務士の略)は、労働・社会保険など社会保障制度に関する事務代理や相談・指導を行う国家資格です。特に、厚生年金・国民年金など公的年金制度に関する相談や手続代理は、社会保険労務士の専門業務となっております。
公的年金制度は、誰にでも共通して関係する大事な社会保障制度であるにも拘らず、その制度内容はとても複雑で、しかも法律改正が頻繁に行われるなど、一般の方々には大変理解しにくいものとなってしまっております。
私ども社会保険労務士は、公的年金業務を行う唯一の国家資格者として、皆様から年金に関する様々なご相談や事務手続代理を承っております。

制度の複雑さ故に、せっかく年金を受給できる権利をお持ちでいながら、制度を知らなかったり、また請求を諦めてしまっていた方は、是非お気軽にご相談頂きたいと思います。必ずや、ご参考にして頂けるものと確信しております。

パートタイマーやアルバイト、有期契約労働者等、様々な働き方がある中で、非正規の労働者が増えてきています。実際にパートさんやアルバイトの従業員の存在の重要性を感じている事業主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、非正規労働者に対して研修を受けさせ、従業員のキャリアアップを図ると支給される助成金についてご紹介します。

キャリアアップ助成金とは

非正規雇用の従業員(有期契約労働者、パートタイマー等)に対して、正社員化、人材育成、処遇改善などの取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。

キャリアアップ助成金(人材育成コース)

有期契約労働者に対して以下の訓練を実施した場合、経費の一部や、賃金の一部が助成されます。正社員への転換や処遇の改善を目的として実施すると、助成金が支給されます。
訓練を受ける従業員の人材育成コースには4つの訓練が有りますが、この記事では比較的使いやすい有期実習訓練一般職業訓練についてご紹介します。
【助成額】
・Off-JT分の経費助成額

100時間未満 10万円
100時間〜199時間 20万円
200時間以上 30万円

・Off-JT分の賃金助成額
1人1時間当たり800円
・OJT分の賃金助成
1人1時間当たり800円

①有期実習訓練

非正規の従業員を対象にOff-JTとOJTを組み合わせたカリキュラムに沿って研修を行い、研修終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1(評価シート)を使って評価を実施します。正社員への転換を目的とします。
※Off-JT:「職場外研修」と訳され、職場を離れて外部の研修を受講し、必要な知識や技術の習得を図るもの。
OJT:「職場内訓練」と訳され、現場で実際に業務を進めながら上司や先輩が必要な知識や技術を部下に教え、身に着けさせるもの。
【注意点】

  • 事前に計画書を労働局に届出していること
  • 訓練が始まる前にキャリア・コンサルティングを実施すること
  • 実施期間が3ヵ月以上6ヵ月未満であること
  • 総訓練時間が425時間以下であること
  • 訓練期間中も対象従業員に賃金を支払っていること
  • Off-JTにかかる費用は事業主が全額負担していること
  • その他、各助成金ごとに定める要件を満たしていること

②一般職業訓練

非正規の従業員を対象にOff-JTによる訓練を受けさせた場合に、訓練にかかる経費の一部と訓練期間中の賃金の一部が助成されます。Off-JTによる訓練は、対象となる従業員のキャリアをアップさせることが目的なため、職務に直接的に関連する訓練内容であることが助成金支給の要件となります。
【注意点】

  • 事前に計画書を労働局に届出していること
  • 1つの研修コースにつき1年以内の実施期間であること
  • 1つの研修コースにつき 20時間以上であること
  • 訓練実施中の時間も対象従業員に賃金を支払っている
  • Off-JTの訓練にかかる費用を事業主が全額負担していること
  • その他、各助成金ごとに定める要件を満たしていること

上記のような助成金を使えば、少ない負担で従業員に研修を受けることができます。助成金を活用して、従業員のスキルアップを目指しましょう。